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【幼児教育の豆知識】子どもの体力をつけるには?その方法について徹底解説!
どんな親でも、子どもには元気で健康でいてほしいもの。その基盤となるのは「体力」です。「体力」にはいくつかの意味がありますが、一般的には「体が丈夫で病気をしない」といった「身体の防衛能力」、そして長い距離を走ったり素早くドリブルしたりという筋力や敏しょう性など「運動能力」の意味でとらえられることが多いでしょう。
その「体力」が、子どもたちにおいては近年低下しているという話も。親としては気になるところですね。では、どうすれば子どもの体力を付けられるのか、日常で取り入れられる遊びや習い事など具体的な方法を解説していきます。
子どもの体力をつけることはなぜ必要か
なぜ子どものころから体力が必要といわれるのでしょうか。現代の子どもの現状を踏まえて、体力をつけるメリット、体力がないことのデメリットを確認していきましょう。
今の子どもの体力は低下している!?
近年しばしば耳にする「昔に比べて、子どもたちの体力が低下している」という言葉。実際はどうなのでしょうか。
小学5年生、中学2年生を対象にスポーツ庁が行った「令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」(※)では、握力や反復横跳び、持久走など9項目の体力合計点の平均が令和1年以降に年々落ち込んでいるという結果になりました。令和5年は少し回復しましたが、コロナ禍で体を動かす機会が減少したことが原因と考えられます。
1週間の総運動時間が420分以上の割合もここ5年で減少。つまりは、週7日で割った場合に1日1時間以上運動している、という子どもが少なくなっているということ。一方で、「テレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間」が4時間を超える子どもは増加しているという結果になっています。
今後、徐々にコロナ前の段階へと回復していくのかもしれませんが、子どもたちの生活習慣は、以前より体を動かさない状態になっているといえそうです。
(※)スポーツ庁「令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/kodomo/zencyo/1411922_00007.html
子どもが体力をつけるメリット
体力低下が心配される現代の子どもたち。何となく「子どもの体力はあったほうがいい」と考えている親御さんもいるかもしれませんが、実際、子どものころから体力をつけておくことには大きなメリットがあるのです。その中でも主なメリットを3つ紹介。親が理解しておけば、子どもへ運動を促すときもしっかりと説明ができますね。
強く健康な体になる
体力をつけることは、体の防衛能力を高めることにつながります。心肺機能が高まり、体内でよい循環が生まれます。筋肉がつくと基礎代謝も向上。血糖値をはじめ血圧や血中脂質の安定につながります。体内が整っていれば病気をしにくくなり、ウイルスなどへの抵抗力も向上していくのです。
身体・運動能力が高まる
幼いころから体力をつけておくことで、運動能力の基礎ができます。素早く動いたり、バランスを取ったり、長距離を走ったり。さまざまなスポーツにおいて、その身体能力を発揮することができるようになるでしょう。
バランス感覚や持久力、柔軟性を備えることで転倒を防ぎ、転倒してもうまく体で衝撃を受けられるなど危険回避にもつながります。
精神状態が安定する
体力をつけるためには運動が欠かせませんが、運動と精神の健康には深いつながりがあります。アメリカのプリンストン大学の研究(※)では、「体を動かすことでストレスに強くなる」ということが明らかに。運動をすると交感神経が活発になり、ポジティブな考え方ができるようになるのです。
また、運動によりセロトニンやエンドルフィンといった精神を安定させる効果があるホルモンが分泌されます。適度に体を動かすことで、身体だけではなく精神の強さも得られるといえるでしょう。
(※)Physical Exercise Prevents Stress-Induced Activation of Granule Neurons and Enhances Local Inhibitory Mechanisms in the Dentate Gyrus
https://www.jneurosci.org/content/33/18/7770
子どもの体力がないデメリット
体力があると身体にも精神にも大きなメリットがありますが、体力がない場合はそれらが得られず、結果デメリットになってしまうこともあります。
病気になりやすく、ケガの心配も
免疫力が低いためウイルスに感染しやすく、すぐ風邪をひくなど病気にかかりやすい状態に。また、運動習慣がないまま育つと、大人になってから肥満、糖尿病、高血圧といった病気にかかりやすくなってしまいます。
病気だけではなく、ケガの危険性も高まります。転んだときに手を付けず、顔面を打ってしまう子どもがいますが、敏しょう性やバランス感覚などが低い状態だと転倒しやすく、大きなケガにつながりやすいのです。
集中力が続かず、疲れやすい
運動不足が続くと血流も悪くなり、体だけではなく脳への栄養・酸素供給が滞りがちに。また、運動をすることで交感神経、副交感神経の働きがよくなり、自律神経が整えられるのですが、逆に運動不足だと自律神経が乱れてしまいます。こうしたことから、集中力が続かず、何事においてもすぐ「疲れた」「もういい」とあきらめがちになってしまうのです。
子どもの体力をつける7つのポイント
子どもが生き生きと生活するために、体力は必要なもの。特に、人間は6歳までの幼児期に神経系の8割が発達するといわれています。この時期に体力をつける運動をしたかしないかで、その後の運動能力にも大きな差が出るといえるでしょう。
「うちの子は運動が嫌いだし、無理やりさせるのは難しい」と考える人もいるかもしれません。でも、特別なこともしなくても体力をつけることは可能です。日常でできることを中心に、子どもの体力向上のポイントを7つ紹介しましょう。
何をするにも正しい姿勢を意識させる
ご飯を食べるとき、勉強するとき、子どもの背中が丸まっていないでしょうか。背筋を伸ばして正しい姿勢を取ることで、自然と腹筋・背筋などが鍛えられます。さらに肺も広がって体に酸素がいきわたりやすい状態に。
骨盤を立てて背中をまっすぐ伸ばして座れているか、こまめにチェックしてあげましょう。
よく歩く、よく走るようにする
近所へのお出かけの際、小さい子どもを連れていくとなると自転車や車が楽ですよね。そんなとき、大人も少しがんばって一緒に歩くようにすると子どもの筋力アップにつながります。
幼い子どもは1歳なら1㎞、2歳なら2㎞というように、年齢と同じ距離は歩けると言われています。疲れるのでは、と気を遣いすぎず「歩くことで丈夫になる」と考えるようにしましょう。親子で会話しながらなら歩くのは楽しい時間に。たまには「競争!」と走りっこをしてみてもいいですね。
外遊びを増やし、思いきり体を動かす
外遊びをすると、のびのびと動き回ることで体全体の筋肉を使うことができます。また、精神的にも開放的になり、子どもの気持ちの安定につながります。鬼ごっこ、ボールなげ、縄跳びなど、楽しみながら親子で体を動かすようにしましょう。
外に行けないときは、家の中でも体を動かす
妊娠中や、兄弟姉妹が幼い場合はなかなか外出しづらいということもあるでしょう。また、雨の日や真夏、真冬は外遊びが心配なことも。そんなときは無理をせず、家の中でできる範囲で体を動かしてみましょう。
その場でジャンプしたり、ストレッチをしたり。最近は自宅でできる簡単な運動や親子でできる遊びを紹介する動画もたくさんありますね。そうしたものも活用しつつ、遊び感覚でチャレンジしてみましょう。
階段をのぼるなどなるべく体を使う選択を
ショッピングで2,3階上の階へ行くならエスカレーターより階段を使うなど、体を使う機会をなるべく与えるようにしましょう。一緒に大人も動けばよい運動になります。そのほか、荷物は自分で持たせるというように、子どもがラクをするほうではなく、なるべく体を使える選択を意識してみてください。
体力づくりに適した食事を摂らせる
筋力をつけるにはたんぱく質が欠かせません。厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準」(※)によると、1日に必要なたんぱく質の食事摂取基準の推奨量は3~5歳で25g、6~7歳で30gとなっています。30~49歳の親世代の場合は男性が65g、女性が50g。大人の半分以上は取ったほうがいいということです。
一度に摂りためることはできないので、朝は卵焼きとヨーグルト、お昼は肉料理、夜は魚料理など三食で取り入れるようにするのがベスト。とはいえ、摂りすぎもよくありません。主食や野菜と合わせて全体の栄養をバランスよく摂ることを心掛けましょう。
(※)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
スポーツ系の習い事をさせる
少子化や場所の不足といった環境により外遊びが十分にできないようであれば、習い事で運動の時間を設けるのもひとつの選択肢。スイミングや体操教室など、子どもの興味に合わせて検討してみましょう。「もっとうまくなりたい」「技を上達させたい」という意欲が湧けば練習に身が入り、自然と筋力もついてきます。
子どもの体力をつけるのにオススメの習い事・遊び
体力をつけるために有効なスポーツ系の習い事。その中でも近年人気のもの、注目されているものを4つ紹介します。習い事選びの参考にしてくださいね。
水泳(スイミング)
水中に浮かぶことで全身の筋肉を使える水泳は、人気の習い事。ベビースイミングもあり幼いころから通うことができます。
内容としては、水に慣れる、浮くことができるという段階から、クロールや平泳ぎ、背泳ぎなどの泳法を習っていきます。中にはさらに上をめざす「選手コース」があるスクールも。
体操
体操教室も幼児を持つ親に人気です。柔軟やマット運動、跳び箱、鉄棒を中心に行われることが多く、これらの動きは多くのスポーツの基礎となるもの。体操で運動感覚を身につけることで、その他の競技も上達しやすくなるかもしれません。3~4歳から始める人が多いようですが、0歳から通えるところもあります。
トランポリン
ぴょんぴょん飛び跳ねるトランポリンは、遊びだけではなく習い事としても楽しみながら筋力が付くと注目されています。足の筋肉はもちろん、空中でバランスを取ることにより体幹が鍛えられます。3,4歳ごろから入れるところが多いですが、2歳から親子で楽しむトランポリン教室もあります。
ボルダリング
壁の突起物を頼りに登っていくボルダリング。手足のほか全身の筋肉を使い、体幹も鍛えられるスポーツです。子どもはそもそも高いところに登るのが大好き。ジャングルジムや木に登る感覚で楽しんで取り組めそうです。どの突起をたどっていけばゴールにたどり着けるのか、ロジカルに考える思考力も身につけることができます。
これらのほかにもダンスやサッカー、野球などスポーツ系の習い事はさまざまにあります。子どもの興味・適性のほか身体、理解力の発達レベルを見ながら、楽しく取り組めるものを選ぶと長く続けることができるでしょう。
まとめ
まずは遊びの中で楽しく体をうごかすこと
子どもにとって体力をつけることは、何事にも意欲的に取り組むために大切なこと。だからといって、運動やスポーツを子どもに無理強いするのは逆効果です。「運動って苦しいもの、やりたくないもの」という意識を植え付け、その後も運動やスポーツに消極的になってしまいかねません。
鬼ごっこや追いかけっこ、ボール遊びなど、まずは楽しい遊びを通して十分に体を動かすことを基本に考えましょう。「楽しい!」と感じられれば、「もっとやりたい」と子ども自ら体を動かすようになっていきます。
子どもの体力向上には親のサポートも大切
子どもと一緒に外遊びをしたり、外出の際に一緒に歩いたり、親が運動のきっかけづくりをしてあげることも重要です。自分の運動不足解消もかねて、子どもとともに体を動かすことを意識しましょう。
また、バランスの取れた食事や十分な睡眠など、体力をつけるために必要な生活習慣は、親のサポートなしには成り立ちません。子どもの健康な体を作るために、家庭の中でできることから始めましょう。
株式会社ヘーグル 理事長
30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。
【執筆者】逸見 浩督(へんみ ひろただ)
株式会社ヘーグル 理事長
30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。