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子育ての知恵ぶろぐ 第364回 青学・原監督から学ぶ「挫折」のとらえ方
2025年1月2日・3日に行われた
第101回箱根駅伝では、
堂々の総合優勝連覇を
成し遂げた
青山学院大の原監督から
「挫折」のとらえ方を
学んでみましょう。
原監督独自の
選手の自律性を引き出す
「青学メソッド」、
ランナー向けの
運動メソッドである
「青トレ」など、
従来の常識を覆した
オリジナルな指導方法が
話題を呼び、
陸上界全体にも広がりを
見せています。
そのような指導論を
実践を通じて
理論化し続けてきた同氏は、
選手が本当の意味での
「挫折」を経験し、
さらには克服することが
組織の自律的な成長には
欠かせないといいます。
変化が激しく正解のない
この時代を生きる上で、
「挫折」とどのように向き合い、
成長を目指すべき
なのでしょうか。
青学はなぜ何度も駅伝王者に
返り咲くのか?
勝負強さは「挫折」から
作られます。
強靱なメンタルを育てる
逆境力をどう育てるのでしょう。
そもそも「挫折」とは
原氏によると、「挫折」とは
3つの要素によって
定義されるものを指します。
まず、自ら立てた目標を
達成するために、必死に
(世間一般ではない水準で)
努力を重ねたこと。
2つ目に、
大きな成果を出そうとする中で
コントロールできない
複雑な外部要因の影響を
受けること。
3つ目に、
目標が達成できなかったこと。
この3要素、つまり
「相当の努力」
「コントロールできない外圧」
「未達成」
の3つが揃って初めて
「挫折」となります。
「現状に甘んじて
アクションすら
起こせていなかったり、
お膳立てされた環境で
レールの上に沿って実行して
上手く行かなかったり
しただけでは、
「挫折」ですらありません。
それはただの「失敗」であって、
そこから次に繋がる学びは
ありません」(原氏)
「挫折」なしには、
個の力を磨くことはできない
では、とりわけこの時代に
「挫折」が求められる理由は
なぜなのでしょうか。
原氏は、
昨今の時代の変化に
硬直化した社会構造が
対応できておらず、
主体的な行動から生まれた
「挫折」からでしか
個の力を磨くことが
できないからだ
と話します。
「変化が激しい今の時代、
常に新しいものを生み出して
いかなければすぐに停滞、
さらには衰退してしまうので、
必然的に既存のルールから
はみ出したチャレンジが
求められます。
しかし、組織において
「これまで俺がやっていた
やり方に従え!」
といった硬直化した
マネジメントでは
その挑戦が上手くいくはずがなく、
経験に繋がらない
「失敗」しか産まれません。
メンバーの主体的な行動を促し
「挫折」させることでしか、
昨今の環境下で
個の力をつけることは
できないのです。
そして、
その個の力の向上なしに
組織が成長することは
難しいと思います」(原氏)
同時に、社会において
ルールを作る人と、
与えられたルールに従う人との
間での断絶が広がっており、
その断絶によって
組織改革が進まなくなっている
ことにも警鐘を鳴らします。
「日本社会では、
政治家や経営者、
指導者までもが
自分たちが決めたルールに
とにかく従わせようとしてきた。
その結果、経済・地域・
情報などのあらゆる面で
格差が広がるばかりで、
構造改革・組織改革が
進まない要因になっている
のではないか。
乱暴に言うなら、
若者はもっと暴れた方がいいし、
暴れさせた方がいい。
そうでないと、
社会も組織も変わらない。」
(原氏)
成果を生む3種類の力:
個の力・公式の力・組織の力
他方で、
複雑な外的環境の中で
成果を出すためには、
「個の力」以外にも
「公式の力」「組織の力」を
組み合わせることが必要です。
「公式の力」とは
ポジションパワーとも呼ばれ、
個人が組織から与えられた
権限に応じて組織に影響を
与えることのできる力。
また「組織の力」とは、
組織において
個人同士の関わりや
認め合いの中で生まれる力
のことを指します。
成果を出す上では
これら3種類の力を
総合的に研磨・活用しなくては
ならないが、
「個の力」を磨かずして
「公式の力」「組織の力」を
発揮しようとしても
成果には繋がりません。
だからこそキャリア早期に
「挫折」を経験・克服し、
自らが拠って立つ
基盤を作ることが重要だと
原氏は繰り返します。