右脳開発でお子様の才能を開花

身体面・精神面ともに成長し、一人でできることが多くなる4歳児。「天使の4歳」と言われる一方で、「4歳の壁」という言葉もあるように、しつけや対応にとまどうパパ・ママも少なくないよう。
4歳の育児ではどのようなことに気を付ければいいのか、その発達の目安とともに解説していきます。
はじめに、4歳児の身体や運動能力、言葉などそれぞれの分野について発達の目安を見ていきましょう。いずれの分野にしても、0~3歳児と同様に個人差が大きいもの。参考として考えてくださいね。
厚生労働省のデータによると、4歳児の身長・体重の平均値は以下のとおりとなっています(※)。
4歳児の身長・体重の平均値(数値は0カ月~6カ月未満/6カ月~12カ月)
〈男子〉身長102.0/105.1cm 体重15.99/16.92kg
〈女子〉身長100.9/104.1cm 体重15.65/16.65kg
0~3歳の急激な伸び方に比べると、成長はゆるやかに。身長は1メートルを超え、手足もすらりとして少年・少女らしい体形に日々近づいていきます。
※厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tmct-att/2r9852000001tmea.pdf
走る、ジャンプするといった単純な動作だけではなく、より複雑な動きができるようになる4歳児。
スキップ、でんぐり返し(前転)、ワンバウンドしたボールをキャッチする、鉄棒で前回りをするといった動きは、この年齢ごろに習得します。これは、筋力の増加に加えてバランス感覚や空間認知能力などが向上したことによるもの。お手本をまねて踊ることもできるようになるので、運動会などでかわいいダンスが見られるかもしれませんね。
手指の巧緻性も向上。お絵描きであれば、簡単な顔だけのイラストから手足や指、髪など体のパーツも描くようになってきます。四角や三角などの形のほか、ハートなど少し難しい形もまねをしながら描けるように。
ハサミ、のり、テープなど道具類の扱いも上達。子どもの手に合った小さめのハサミやスティックタイプのりなどを用意してあげると、より作業しやすいですよ。
4歳を過ぎると大人との会話はほぼ支障がなく、意思疎通がスムーズにできる状態に。自分がしてほしいことも大体は言葉で伝えられるようになるので、パパ・ママも対応しやすくなるでしょう。
「昨日お母さんとお買い物に行った」や「明日の遠足楽しみ」など過去・未来についての表現や、「このお布団ふわふわ」「このクッキーは固いね」というように、目の前のものの形状を言い表すこともできるようになります。
新しい言葉をどんどん吸収する時期なので、本の読み聞かせのほか家族間で会話を積極的に行って、たくさんの言葉に触れる機会を作りましょう。しりとり遊びや連想ゲームなどの言葉遊びで楽しくインプット・アウトプットするのもいいですね。
理解力、想像力、記憶力といった知能も、ぐんぐんと発達していきます。
文字・数字の読み書きへの興味が膨らみ、絵本や身の回りの物から覚えて何文字かの平仮名は読めるようになっていきます。親が積極的に教えてあげれば、平仮名、片仮名、数字は一通り読めるようになる子どもも。「今日は〇〇ちゃんにお手紙書くの」と、覚えたての平仮名で自分や友だちの名前を書いている、というシーンも見られるようになるかもしれません。
記憶力の向上により、トランプの神経衰弱など簡単なボードゲームならプレイすることも可能に。長いストーリー展開の物語でも、想像力を働かせながら集中して聞くこともできるようになるでしょう。
4歳になると、大体の子どもはオムツが取れ、一人でトイレに行けるようになります。ティッシュで鼻をかむ、はしを使って食べる、衣服の着脱や片付けをするなど、生活に必要な基本動作の多くを独力でできるように。
親としては手がかからなくなり助かりますが、すぐには完璧にできないもの。適宜確認やフォローをしてあげることを忘れてはいけません。
また、生活力の基本として早寝早起きをはじめとした「規則正しい生活」を送れるようにサポートしてあげましょう。料理や洗濯など家事を積極的に手伝ってもらうのも、子どもの学びにつながります。
子どもたち同士で遊ぶことがより一層楽しくなり、遊びの中でのルールを理解するようになっていきます。
ただ、最初は負けを認めなかったり、負けたら大泣きしてしまったりということも。「ゲームというのは勝つこともあれば負けることもあるよ。楽しんでやればいいよ」と教えてあげましょう。
また、公共マナーの理解も進んで、電車・バスなど公共施設でも他者を意識したふるまいができるようになります。
上記のとおり、4歳は大きな成長を遂げる時期。1年の間でもできることがどんどん増えていきます。
友だちや家族の気持ちを考えられるようにもなり、以前のように自分の欲求だけ満たされたらそれでOK、ということはなくなってきます。
「他者の思いや言うこともわかるけれど、自分の欲求も通したい」。自分の気持ちがコントロールしきれずに、ときにわがままを言って反抗したり、赤ちゃん返りをして甘えようとしたり。このような精神面での葛藤は、「4歳の壁」と呼ばれています。
「思い通りにならないとすぐぐずったり怒ったり。手が付けられない」
「しっかりしてきたと思っていたら最近甘えん坊になって…」
など、パパ・ママも子育ての「壁」を感じてしまうかもしれません。
しかし、これはわが子が葛藤しながら成長している証し、と理解すれば、神経質になりすぎずあたたかく受け止めることができるのではないでしょうか。
発達にともなって精神的な葛藤も抱えやすい4歳児。接し方を間違えると、余計にこじれてしまうこともあります。日頃から心掛けたい点をピックアップしてみました。
公園で、園の送迎時に、習い事のレッスン中に…。接する子どもの数も増えるので、親はついわが子と比べてしまう、ということもあるかもしれません。
しかし、さまざまな能力において個人差が大きい4歳児。神経質になると周囲に振り回されてしまいます。
大切なのは、他の子どもではなく、「わが子の過去と今」を比べること。「以前はできなかったことができるようになっている」「苦手だったことにチャレンジしている」などわが子のがんばりを感じたら、たくさん褒めてあげてくださいね。
ボキャブラリーが増えたといっても、4歳ではまだ理論立ててスラスラ話すのは難しいもの。子どもが一所懸命説明しようとしているのに、「だから何?」「そういうことじゃないでしょ!」など途中で遮ってしまうのはNGです。
親が聞く態度をみせると子どもは安心して、自分の思いを言葉で表現することを恐れたり恥ずかしがったりしなくなります。たとえ間違っていても屁理屈でも、最後まで話に耳を傾けましょう。
言葉が巧みになるにつれ口答えをすることも多くなり、つい頭ごなしに叱ってしまう、という親御さんもいるかもしれません。でもそれでは、子どもの中に不満が残り、納得していないのでまた同じことを繰り返す原因にも。
怒る前に「どうしてそんなことをしたの?」「それで、あなたはどうしたいの?」と、子どもの思いをしっかり聞いてから、「ダメな理由」をきちんと説明してあげましょう。
自分の思いを親と共有できれば、子どもの感情も落ち着き、素直に言葉を受け入れられるようになるでしょう。
たくさんのことができるようになった4歳児は自信もつき、どんどん新しいことにチャレンジしたくなっています。この意欲をつぶさないことが大切。自分でやり切る達成感が、「自己肯定感」を膨らませてくれます。親は、積極的に応援するスタンスを持ちましょう。
もちろんうまくいかないこともあるでしょうし、時間がかかったり、ときには部屋がちょっぴり汚れたり、ということもあるかもしれません。親としては面倒ですが、「失敗もいい経験」と思い、できる限りできるだけやらせてあげましょう。ただし、まだ危険察知能力が低いので、危ないものからは遠ざけるように注意を。
さまざまなことが一人でできるようになるといっても、4歳はまだ精神が揺れ動いている時期。気まぐれに「今日はハミガキやらない」と言ってみたり、「ママがやって」と甘えてみたり。そういう日もあるのです。
そんなとき、「もうできるでしょ!」と突き放してしまうのではなく、「しょうがないわね、今日はやってあげる」としっかり甘やかせてあげることも大切です。
「親はどんな自分でも受け止めてくれる、甘えられる存在」という安心感が子どもの心を安定させ、また新しいことへのチャレンジへとつながっていきます。そしていつしか、どんなことでも一人でこなせるようになっていくのです。
4歳の発達の目安と、親ができることを解説しました。先に書いたとおり、発達段階についてはいずれも個人差が大きいものなので、自分の子どもができなくてもすぐに気にする必要はありません。
重要なのは、自分の子どもをよく見て、何ができて何ができないかを正しく把握しているかどうか。ものごとの好き嫌い、得意不得意などわが子の特性を十分にわかっていれば、今後の子育ての方針も自然と浮かんでくるでしょう。
一日一日と成長していく4歳児。子どもがチャレンジできる環境を作りながら、その変化をともに喜び、楽しむ。そんな気持ちで日々接していきましょう。