右脳開発でお子様の才能を開花

「子どもには思いやりを持ってほしい、優しい子になってほしい」。親であれば、そう願うのは当然でしょう。思いやり、優しさというものは、学力と違って数値で測れるものではありません。「協調性」とも置き換えられ、いわゆる「非認知能力」に当たります。
とはいえ、思いやりや優しさは育てられない、ということではありません。そのキーポイントとなるのは、普段からの親の接し方。どのような振る舞いが子どもの思いやりと優しさをはぐくむのか、具体的に解説していきます。
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思いやりがあって優しい子、とはどんな子どもを指すのでしょうか。共通するのは、次の3つの特徴です。
思いやりのある優しい子の第一の特徴は、相手の気持ちを想像できること。それだけではなく、その気持ちをくんだ発言や行動ができること。
たとえば、泣いている友だちがいたら「どうしたの?ケガしたの?」と心配して声をかける、ひとりで寂しそうな子を「一緒に遊ばない?」と誘う、といった言動が自然に出てくるような子どもです。
相手の気持ちに気づいていても、それを他人ごとと無視してしまうケースも世間では見られます。そうではなく、自分ごととして思いやれる人が、優しい人といえます。
人は一人ひとり異なる考え方や特性があるもの。自分と違う意見に対してもフラットに受け止められなければ、一方的に攻撃してしまうことにもつながりかねません。友だち同士でやりたい遊びが異なったとき、「ぜったいサッカーのほうがおもしろい!野球がいいなんてあの子はおかしい」といえば、相手は自分を拒絶されたように感じるのではないでしょうか。
そうではなく、「野球もいいね。じゃあ、野球をやったあとにサッカーをしない?」というように、相手の意見も受け止めたうえでの提案であれば、友だちも「自分の気持ちを思いやってくれた」と感じ、良好な関係が継続できるでしょう。
家族や仲のよい特定の友だちだけではなく、「出会ったどんな人に対しても心を開き、人間関係を結んでいける」ということも、思いやりと優しさにつながります。そうした子どもは、成長とともにどんどんと人間関係が広がっていきます。
友だちの兄弟姉妹や近所の高齢者、お店でよく会うスタッフなど、年齢や性別、職業などにかかわらず親しくしていれば、自然と多彩な考え方に触れます。それは、多彩な人への理解と思いやりをはぐくむのです。
相手の気持ちを考える、自分と異なる意見も受け入れるなど、優しい子どもの考え方や他者への対応は、生まれながらに身についているわけではありません。周囲の人と関わる中で形作られるものであり、もっとも影響を与えるのはもちろん親です。
親は、子どもに対してどのような接し方をすれば思いやりや優しさを育てていけるのか、7つのポイントに絞って紹介します。
子どもがなにか痛がっていたら、親はきっと「大丈夫?どうしたの?」と尋ねるのでしょう。そうした子どもへの気遣い、思いやりももちろんですが、家族をはじめ、周囲の人々に対しても同様に対応することが大切です。
「パパ、昨日は遅くまで仕事だったけれど大丈夫?」「あのおばあさん、階段をのぼるのに荷物が多くて大変そうね。お手伝いしよう」など、言動にして伝えましょう。
そんな親をそばで見ていることで、子どもは自然と他者を気遣う気持ちを持つようになります。
特別なことがなくても、日常でよく子どもを褒めることも大切です。例えば、「ブロックでこんなに大きなおうちが作れたの?すごいね」「今日は立ち歩かないでしっかり食べられたね」など、小さなことでも見つけて褒めてあげましょう。
自分の小さな努力やがんばりを認めてもらうことで、子ども自身が他人の小さな変化や困りごとに気を配れるようになっていきます。
人の気持ちを思いやれる人は、相手の様子をよく見て、その感情を考えられる人です。そのためには、相手の話をよく聞いて、コミュニケーションを取る必要があります。
子どもにそのようになってもらいたいなら、まずは親が子の話を丁寧に聞き、密に会話をすること。忙しいからといって片手間に聞き流したり無視したり、はNGです。
「親はいつも自分のために時間を割いてくれる、受け止めてくれる」と感じられれば、自分がしてもらったように、他者に対してきちんと向き合うことができるようになるでしょう。
子どもに対して抱く愛情は、積極的に言葉にしていきましょう。「あなたはなによりの宝物」「どんなあなたでも大好き」といったことは、「言わなくてもわかる」「口にするのは恥ずかしい」と感じる人もいるかもしれません。言わなくても伝わっているかもしれませんが、それでも親にはっきり言葉にしてもらうことは、想像以上に子どもの心を満たします。そして、ほかのだれかへの思いやりや愛情の言葉となっていきます。
愛情だけではなく、「心配している」「不安に思う」「そんなことを言われるとつらい」といった感情も、素直に伝えていきましょう。子ども自身が感情を言語化しやすくなるだけではなく、自分の心を開いて感情表現をするお手本になります。また、さまざまなケースにおいて他者の気持ちを想像するヒントとなるでしょう。
親自身が普段から「ありがとう」を言葉にできているでしょうか。例えば夫婦間で何かしてもらったとき、「当然」と思っていないでしょうか。ささいなことでも常に感謝の心を忘れず、それを周囲に伝えていく親の姿こそが、子どもにとって最良のモデルとなります。
家族や子どもに関わる人たちなどの悪口を頻繁に聞かせるのは逆効果。なるべく人のよいところを見て、感謝するポジティブな発言を心掛けたいものです。
叱るという行為も、言い方ひとつで思いやりの心をはぐくむことにつながります。なぜなら、叱ることは本来子どもを思いやってすることだからです。
ただ、怒りの感情に任せて「何度言ったらわかるの!あなたはダメな子ね」と存在を否定するような言い方は、子どもの自己肯定感を下げてしまうだけ。ダメなのは子どもではなく、「やってしまった行為」ということをまずは認識しましょう。そして、子どもの言い分にしっかり耳を傾けること。そのうえで、「なぜいけないのか」「どうしてもらいたいのか」を丁寧に伝えていくようにしましょう。
親が子どもを受け入れ、思いを真剣に伝えることで、子どもも他者への接し方を学んでいきます。
心配だからといって親が先回りしてお膳立てばかりしている、または失敗を責めるような態度を取っていると、子どもは「失敗ができない」人間に育ってしまう危険性があります。そうすると、他者の失敗も認められず、必要以上に攻撃的になるかもしれません。
ケガや命の危険がないのであれば、できるだけ子どもの判断や行動に手出し口出しせず、見守るようにしましょう。失敗や挫折をしたら親はそっと寄り添ってサポートを。つらさや悲しみ、くやしさは感情をゆたかにし、他者の気持ちに共鳴して寄り添える人間を形作るのです。
優しい言葉をかけられることが少ない、思いやりのある対応をしてもらったことのない子どもは、他者に優しくできるのでしょうか。持っていないものを他者に与えることは、困難なことでしょう。
わが子に優しくなってもらいたいと思うのであれば、まずは親が子どもに対して優しくすること。愛ある言葉を話してほしいのであれば、愛情をたっぷり注いであげることです。
親のあたたかな愛情に満たされて育てば、子どもも自然と他者へ優しい気持ちを分けることができ、思いやりのある人へと育っていくでしょう。