右脳開発でお子様の才能を開花
【幼児教育の豆知識】「おしゃぶり」はいつからいつまで? やめ方についても徹底解説!
おしゃぶりをくわえている赤ちゃんは、いかにも赤ちゃんらしくてかわいいですよね。でも、いつまでも使い続けている子はいないし、「やめ時はいつなの?」と疑問に思うお父さん、お母さんもいるかもしれません。長く使い続けると、問題が出てくる場合もあるので注意です。
そこで今回は、おしゃぶりを使い続けるリスクやおしゃぶりを使う期間の目安、卒業のためのコツを解説していきます。
おしゃぶりはそもそも必要なの?
おしゃぶりはもともと欧米で広まり、20世紀後半ごろには「指しゃぶり防止」を目的として使わせる親が多くなりました。欧米においてはそのメリットから積極的に使っている親も多い異様です。
一方、日本ではもともとなじみのないものでしたが、従来の子育て方法だけではなく海外のノウハウも広く取り入れられるようになった現在、店頭ではさまざまな色や形のおしゃぶりが販売されるようになりました。
以前には使用されていなかったとおり、おしゃぶりはかならずしも使わねばならないものではありません。そのリスクに対する懸念もあって避けている親も少なくなく、使わないまま成長する子どもも多くいます。
使用を考える場合は、そのメリット、そしてリスクを把握したうえで選択するといいでしょう。
おしゃぶりを使い始める目安は、生後1ヶ月以降から
生まれてすぐの新生児におしゃぶりを与えるのはあまり推奨されていません。なぜなら、赤ちゃんがおしゃぶりのような人口乳首に慣れてしまって、哺乳瓶の方を好んで母乳を避けるようになるという「乳頭混乱」が起きる可能性が高いためです。
使い始めるなら生後1カ月を過ぎてからにしましょう。
おしゃぶりを使うメリットとは
赤ちゃんがおしゃぶりを離さないのは、生まれながらに持つ吸てつ反射によるものです。口に入った乳首や指などを無意識に吸おうとする行動で、おしゃぶりでなくても自分の指を吸っている子どももいますね。
おしゃぶりや指を吸っているときは、赤ちゃんはリラックスして安心感が得られると考えられています。
赤ちゃんが泣き止んでくれると、親のストレスも減って育児がしやすくなるというメリットも。
口腔機能を高める、鼻呼吸が上手になるといったことも見かけますが、これらははっきりと実証されてはいないようです。
おしゃぶりを使い続けることによるリスク
母子ともにメリットがあるおしゃぶり。一方で、長く使い続けると赤ちゃんの成長にとってのリスクにも。主に、歯並びや発語について影響が報告されています。具体的にどのようなリスクなのかを知っておきましょう。
歯並びが悪くなるリスク
赤ちゃんは生後6カ月ごろから乳歯が生え始めます。乳歯が成長していく段階でおしゃぶりを使う場合は注意が必要です。おしゃぶりによって歯に常に力がかかるため、歯並びが悪くなる可能性があるのです。具体的には前歯が前方へ出てくる(上顎突出)、前歯の間に隙間ができる(開咬)などです。
大学のある調査(※)では、特に19カ月以上おしゃぶりを使っている子どもの約半数にこのような症状が見られたと報告されています。歯並びが悪くなると、かみ合わせもうまくいかなくなり、体全体へも影響します。歯が生えてきたら、おしゃぶりの使用頻度を減らすようにしていきましょう。
(※)「おしゃぶりについての実態調査」2006年 昭和大学小児成育歯科学教室 石川朋穂ほか
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd1963/44/3/44_434/_pdf/-char/ja
言葉の発達が遅れるリスク
泣いたらすぐおしゃぶりを与えると、なぜ泣いているのか親子でコミュニケーションをとる機会がなくなります。また、親が話しかけてあやすかわりにおしゃぶりをくわえさせると、言葉のシャワーをあびる機会が減る一因に。
また、親が日常で話しかけても、おしゃぶりをくわえていると赤ちゃんは発語ができません。
こうしたことから、長期のおしゃぶりの使用は子どもの語彙(ごい)の習得、言葉の発達を遅らせるリスクがあると言われています。
学習機会損失のリスク
子どもは何でも口に入れます。口は感覚器官であり、口に入れることで物を確かめ、知ろうとしているのです。
ただ、口に常におしゃぶりが入っていたらどうでしょう。物を手に取って口に持っていくことはできません。つまりは、自ら知ろうとする学習機会の損失につながる可能性があるのです。
中耳炎のリスク
おしゃぶりを吸い続けることで、鼻と耳をつなぐ空間の気圧が下がり、耳の感染症、中耳炎などにかかりやすくなると言われています(※)。
乳幼児で中耳炎を繰り返すようなときは、おしゃぶりの使用を禁止されることもあるようです。
(※)The diagnosis and management of acute otitis media「急性中耳炎の診断と管理」2013年米国小児科学会
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23439909/
おしゃぶりは、 1歳半~2歳には卒業を
使い続けるとリスクもあるおしゃぶり。それを避けるためには、ある程度の期間で使用をやめなければなりません。
日本小児歯科学会では、1歳半ごろからおしゃぶりの使用をやめることを推奨しています。
「2歳を過ぎて奥歯のかみ合わせができた後もおしゃぶりの使用が続くと、歯ならび・かみ合わせに影響がでやすくなり、また唇の閉じ方や舌の使い方にも問題が生じやすくなります。乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃からやめる準備を始めて、2歳過ぎまでにはやめられるといいですね。」(※)
このように遅くとも2歳までには卒業させるようにしていくのがよい、という見解です。
1歳を過ぎると言葉もどんどん発達します。なるべくおしゃぶりを外して、発語を促すことも大切です。
では、具体的にどのように卒業させればいいのか、次章で解説していきます。
(※)日本小児歯科学会 子どもたちの口と歯の質問箱
https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/
おしゃぶりのやめ方5つのポイント
おしゃぶりを使い慣れた赤ちゃんにとっては、すんなりとやめることは難しいかもしれません。親が注意すべき点、そして具体的な対策を紹介します。
怒ったり、無理強いしたりはNG
おしゃぶりがあると安心する子どもも多いもの。親が「やめなさい!」と怒ったり無理やり取り上げたりすると、より不安をかきたてられて離せなくなるという逆効果になりかねません。
おしゃぶり卒業の大前提として、心配しすぎて感情にまかせた対応をしないように気を付けることが大切です。
やめ方5つのポイント
スムーズにおしゃぶりをやめさせるためには、子どもの執着を徐々になくしていくことが大切です。ほかの物事で気をそらすなど、簡単にできる5つのポイントを紹介します。
理由をきちんと説明する
理由もわからず取り上げられたら、子どもとしてはショックを受けてしまいます。まずは、やめるべきだということを子ども自身に理解してもらいましょう。とはいえ、難しい説明はまだ理解できないので、
「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)になったから、赤ちゃんの使うおしゃぶりはやめようか。できるかな?」というように、わかりやすく優しく伝えてみましょう。
使う機会少しずつ減らしていく
昨日までずっと吸っていたのに、今日からまったく使わせない、というのは子どもが変化についていけなくてとまどってしまいます。卒乳と同じく、少しずつ減らしていくのが無理のない対処法です。
外出していてどうしても泣き止まないときだけ、など意識して使用を制限していきましょう。
別の遊びで注意を引くなど興味をそらす
ぐずったときは一度あやしてみて、ほかのおもちゃや遊びで気をそらせないかチャレンジしてみましょう。自分の子がどんなものに興味を持つか日頃から観察して、おしゃぶりを忘れるような楽しいおもちゃ、遊びを与えてあげられるように工夫を。
遊んでいる間は親子のコミュニケーションも増えるので、ダブルで効果的です。
寝かしつけ時に工夫してみる
寝かしつけにおしゃぶりが必須、という子どもの場合は、別の方法で入眠できるパターンを考えてみましょう。体をトントンしながら子守り歌を歌う、眠るまで手を握ってあげるなど、おしゃぶりがなくても子どもが安心できるように、スキンシップなどを増やす工夫をしてみるといいかもしれません。
とにかく根気よく対応する
すぐに卒業できなくても焦らないこと。おしゃぶりへの愛着は個人差があります。おしゃぶりがなかなかやめられないからといって致命的な問題があるわけでもありません。発達面でほかに気になる点がないのであれば、様子を見ながら卒業できるようにサポートを続けましょう。
なかなかおしゃぶりをやめられない子どもへの対応
どうしてもおしゃぶりがやめられない、という子どもは、おしゃぶりがなくなることに対して大きな不安を抱いているのかもしれません。
不安を取り除けるように、今までよりスキンシップを増やし、ぐずったときはぎゅっと抱きしめてあげるなど親子で触れ合うようにしてみましょう。
また、おしゃぶりの代わりに常にそばにおいて安心できるものを用意してあげるのも一案。子どもが気に入りそうなぬいぐるみや、触り心地のいいタオルケットや毛布を試してみるといいでしょう。
まとめ
あまり神経質にならず、おしゃぶりは徐々に卒業しよう
子どもにおしゃぶりを使わせているお父さん、お母さんは、リスク面を不安に思うかもしれませんが、一般的に成長するにつれ自然とおしゃぶりを卒業する子どもも多いもの。
神経質になりすぎず、親子で日頃からたっぷりと触れ合うこと、そして体を動かしてさまざまな遊びや体験をさせてあげることを心掛けましょう。そうすることで、おしゃぶりへの執着は徐々になくなり、安心して外の世界へ手を伸ばしていくことができるでしょう。
株式会社ヘーグル 代表
「波動読み」を世界で初めて開発。小学校受験 中学受験、高校受験、大学受験生の指導経験もあり、 幅広い経験の中で醸成される幼児からの右脳教育プログラムは、奥が深く、確実に成果の出るものとして絶賛されている。
【執筆者】逸見 宙偉子(へんみ るいこ)
株式会社ヘーグル 代表
「波動読み」を世界で初めて開発。小学校受験 中学受験、高校受験、大学受験生の指導経験もあり、 幅広い経験の中で醸成される幼児からの右脳教育プログラムは、奥が深く、確実に成果の出るものとして絶賛されている。