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【幼児教育の豆知識】子どもの上手な叱り方って? 効果的な叱り方について徹底解説!
子育て中の親御さんなら、「叱る」という行為が日常の一部になっているのではないでしょうか。
「朝から晩まで叱ってばかり」という人もいるかもしれませんね。中には、「叱ることで自分も疲れてしまう」「ついヒートアップして反省する」という声も。
注意したいのは、間違った叱り方は正しい方向に導くどころか子どもにとってマイナスに働くかもしれない、ということ。
真に子どものためとなる叱り方とは? 親が知っておきたい効果的な叱り方を押さえておきましょう。
Contents
そもそも「叱る」とはどういうこと?
まず、「叱る」とはどういうことなのかを考えてみます。よく混同しがちな「怒る」との違いもチェックしてくださいね。
子どもを叱らねばならないときもある
叱ることに罪悪感を覚えてしまう親御さんもいるかもしれませんが、子育てにおいて必要不可欠なものなのです。中でも以下のような子どもの行動については、叱ることで子どもの中に正しい知識を根付かせる必要があります。
・自分や他人を傷つけるような危険なふるまい(左右を確認せず道に飛び出す、友だちをたたくなど)
・他者に迷惑をかける、など社会のルールを破る(順番を守らない、公共の場で騒ぐなど)
・他人を顧みない利己的な言動(約束を簡単に破る、自分本位のウソをつくなど)
これらは自分や周囲の人々の心身を傷つける恐れがあるほか、大人になってからも続くようであれば社会に適応することも困難になります。ですから、子どものうちに親が真剣に叱ることで、是非を覚えさせる必要があるのです。
「叱る」と「怒る」は違う
叱ることはときに必要ですが、重要なのはその叱り方。「叱っても子どもがいうことを聞かない」という人は、もしかしたら「怒る」ことと取り違えているのかもしれません。
「叱る」と「怒る」。それは似て非なるもの、です。
「叱る」とは、相手のためを思う言動。相手を尊重しつつ、正しい方向へと導いていくものです。
一方、自分のイライラした気持ちを相手にぶつけて、有無を言わせず従わせようとする。これが「怒る」です。
イライラするとつい怒ってしまうこともあるでしょう。でも、「これは子どものためになっていない。自分の感情に流されている」ということに気づけば、少し冷静になれるのではないでしょうか。
子どもに恐怖を与えるのは逆効果
大声でどなる、体罰を与えるなど、感情に任せた「怒り」は子どもに恐怖を与えます。
怖いから一時的に言うことを聞きますが、それは恐怖から身を守るため。「なぜダメなのか」の理由を理解したわけではないので、また同じことをしてしまうかもしれません。親に対してしなくなっても、外で同様の行動をする可能性もあります。
子どもに過ちを繰り返してほしくないのであれば、正しく「叱る」ことが大切です。
上手な叱り方5つのポイント
「叱る」とは、先述した通り「相手のためを思って、正しい方向に導く」ということ。上手な叱り方を実践するのに役立つ、具体的な5つのポイントをピックアップしました。
①子どもの気持ちを十分に理解してから叱る
「言うことを聞いてほしい」という気持ちが先だつと、「~しなさい」「~はダメ」といった一方的な指示をしてしまいがちに。でも、自分に置き換えて考えてみましょう。理由も聞かないで言動をとがめられたら、「こっちにも考えがあってやっているのに」と反発してしまいますよね。意図を無視されると、自尊心も傷ついてしまいます。
まずは、「どうして子どもがそうしたのか」を考え、気持ちに寄り添ってあげることが大切なのです。
例えば、絵本を破ってしまったのであれば、「破ってしまったのね。びりびりするの、楽しいもんね」と共感してから、「でも、本は破ると読みにくいでしょう。これからも〇〇ちゃんと楽しく読みたいから、破らないでね」などと、ダメな理由を説明してあげましょう。自分の気持ちをわかってもらえると、子どもの心はある程度満たされます。
「この新聞紙なら破ってもいいよ」と、代替案を具体的に教えてあげるのもいいですね。
②なぜ叱るのかをしっかり伝える
「早く食べなさい。ぐずぐずしないの!」
「ダメ!ソファで飛びはねないでって言ったでしょ!」
こんなふうに禁止の言葉やせかす言葉のみを使って叱っていると、子どもはまた同じことを繰り返してしまうかもしれません。なぜ叱られたのかが理解できていないからです。
「説明しなくても、当たり前のことだからわかっているはず」と思いがちですが、人生経験の浅い子どもは理解できていないことも多いのです。
「ソファの上で飛びはねないでね。そばに窓があるからぶつかったら割れてガラスでケガをするよ」というように、理由を伝えて叱るようにしましょう。
③子どもの目をしっかり見て、愛情を伝えながら叱る
叱るときは子どもと向き合い、目を見て話すようにします。子どもは、親の真剣な表情や口調からも「これがいいことか悪いことか」を感じ取っています。親がまっすぐに自分に伝えようとしている、ということは、守らなくてはならない大切なこと、と理解できるでしょう。
例えば兄弟ゲンカをしているとき、家事をしながら「ふたりとも相手をたたかないの!」と遠くから言っても本気度が伝わりません。いったん手を止め、子どもたちと目線を合わせて「相手がケガをするからやってはいけないよ。自分の気持ちを伝えたいときは言葉でお話ししてね」と、愛情を持って伝えるようにしましょう。
④叱るのはその場だけ、長々と叱らない
怒りが爆発して、くどくどと怒ってしまう…そんな親御さんもいますが、叱れば叱るほど効果が増すというわけではありません。叱られた理由が薄れ、ただイヤな気持ちが募るだけになってしまいます。
長く集中することができない子どもには、「その場で」「わかりやすく」「短く」叱ることが、理解させるためのポイント。きっぱりと伝えることを伝えたら、親も気持ちを切り替えましょう。
ただ、人前で叱るときは注意です。叱られている姿を友だちなどに見られるのは恥ずかしく、親の言葉が頭に入りにくくなります。危険が差し迫っているときは場を選べませんが、場合によっては人のいない静かなところに移動してから叱るほうが効果的ですね。
⑤叱ったことを直したら、たっぷり褒めてあげる
一日のうち、子どもを叱る回数と褒める回数、どちらが多いでしょうか。未熟な子どもですからどうしても叱ることが多くなるかもしれませんが、褒めることもとても重要です。
いいことをしたときはもちろん、叱られたことを少しでも改善したらたっぷりと褒めてあげましょう。
「これくらいできて当然」「まだまだ完ぺきではない」と思わず、少し大げさなくらい褒めてあげてもいいのです。大好きな親に褒められるのは子どもにとってうれしいこと。「自分は認められた」と自己肯定感が高まり、「もっとがんばろう」と思えるのです。
逆に叱られてばかりいると、子どもの自己肯定感は下がり、「どうせ自分は…」と積極的な改善はのぞめなくなります。
絶対やってはいけない! 5つのNG な叱り方
上手な叱り方の対局として、避けるべき叱り方を5つ紹介。間違った叱り方では子どもの言動が改善しないばかりか、悪影響になる場合もあるので注意しましょう。
①感情的になってしまう
イライラして、大きな声で怒鳴ったり激しい言葉遣いになったり。感情に流されるのは、人間なら誰しもあること。
ですが、そのような言動は子どもをおびえさせ、恐怖で思考を停止させてしまいます。「何が悪いのか、どう正すべきか」が入ってきません。
まずは親が気持ちを落ち着けて、冷静に叱るようにしましょう。
②他の子どもと比較してしまう
「お兄ちゃんはできるのにどうしてあなたは」「〇〇ちゃんは静かに座っていられるでしょ」。
このようにほかの子どもを引き合いに出して叱ると、子どもが自信をなくし卑屈になってしまうもとにも。
「誰かのようになりたい、と奮起してほしい」という考えがあるかもしれませんが、比べる叱り方は避けたほうが無難です。
③子どもの人格そのものを否定してしまう
「どうしてこんなことをするの。あなたは本当にダメな子ね」といったように人格自体を否定してしまう叱り方をすると、子どもは深く傷つきます。「自分はできない」「ダメな子」が刷り込まれ、マイナス思考になってしまうのです。
子どもが犯した間違いについては、その事実だけを端的に叱るようにしましょう。
「〇〇ちゃんが大好きだから、ケガをしてほしくないんだよ」など、「あなた自体を嫌いなわけではなく、その行為をすることをやめてほしい」ということをわかりやすく伝えるのもいいですね。
④言うことをコロコロ変えてしまう
この間は怒られたのに今日は怒られなかった、以前と言っていることが違う…。
このように親が気分で言うことを変えると、子どもはどうすればいいのかわからず、心が不安定に。親の地雷を踏まないためにオドオドした態度になってしまいます。
言うことに一貫性を持たせるのはもちろん、「叱るべきことの線引き」をパパ・ママで統一しておくことも大切です。
⑤たたくなど手をあげてしまう
昔は当然のようにあった親からの体罰。しかし、2020年には「児童虐待防止法」にて家庭内の暴力は違法と定められました。たたくほか、罰としてどこかに閉じ込めたり長時間正座させたり、ごはんを与えなかったり。罵倒するなど言葉で傷つけることも含め、すべて体罰であり、禁止されています。
体罰は、一時的に恐怖で従わせることができるでしょう。しかし、続くと子どもの自主性がなくなる、他人に対して暴力を振るうようになるといった可能性が高まります。親との愛情にあふれた関係も壊れて、やがて修復が困難な状態に。
手をあげることは「暴力」ということを理解し、叱るツールとして使うのは絶対に避けましょう。
年齢別の叱り方のポイント
上手な叱り方、NGな叱り方を紹介しましたが、叱るときは子どもの年齢も考慮しましょう。成長度合いに合わせて、わかりやすく叱ることが大切ですよ。
0歳・1歳ごろ
はいはいや伝い歩きをする8カ月前後になると、赤ちゃんの行動範囲も広がり、危ないことを注意する必要もでてくるでしょう。
そのころには、簡単な言葉なら何となく意味を理解する程度に知能が発達。しかし、難しい内容はわからないため、表情や声のトーンで注意を伝えるといいでしょう。
重要なのは、赤ちゃんがいけないことをしたとき、しそうになったとき、その場ですぐ伝えること。あとで言っても、何について言われているのか理解できません。
1歳になり言葉の理解が進んでも、まだ「どうしてダメなのか」の複雑な話は難しいもの。自分の行動心理を説明することもできません。親としては、その都度「いけないよ」と行動をシンプルに注意し、どうすべきかをわかりやすく教えてあげましょう。
2歳・3歳ごろ
自我が育ち、自己主張が強くなってくる時期。自分で何でもやりたがり、思い通りにならないとかんしゃくを起こすことも。
一方で、言葉への理解がより進み、ものごとの先を見通すといった考える力も伸びてきます。まだうまく話せない子もいますが、叱る際には子どもの思いをしっかり受け止めて、なぜいけないのかをやさしい言葉で伝えるといいですね。
4歳・5歳・6歳
この年齢になると幼稚園・保育園に通うようになり、社会性も身についてきます。ものごとを関連付けて考えたり、過去や未来の話もできたりするように。
叱るときも、きちんと理由を話せば理解ができます。ただ、理解できても同じ過ちを繰り返すことも多数。その都度叱ることで、少しずつ正しい選択ができるようになります。
「こうならないためにはどうしたらいいと思う?」など、子ども自身に正しい言動を考えさせると、より自分の中に落とし込むことができるでしょう。
叱り方もそうですが、まずは叱らずにすむ環境を整えることも、0~6歳にとっては大切です。危険なもの、大切なものは触れないところに置くほか、片付けの分類をわかりやすくするなどしてほしい行動のハードルを低くすると、叱る頻度を減らせます。
小学生
小学生になると、善悪の判断もかなり進んできます。「どうしてこれをしてはいけないんだと思う?」とまず本人に考えさせましょう。「どうしたらよかったか」についても聞き、今後は自分でよい方向を選択できるように習慣づけていきます。
プライドも高くなってくる時期。子どもの意見が間違っていたとしてもすぐに否定することなく、「そう考えたんだね」といったん受け止めて。そして、対等な目線で親の意見を伝えるようにしましょう。
まとめ
大切なのは子どもにわかりやく、愛情をもって伝えること
大人にとって常識であることでも、子どもには「なぜいけないのか」わからないことも。叱るときは、理由や正しい行いを具体的にわかりやすく伝えるようにしましょう。
何より大切なのは、愛情をもって叱るということ。同じことを何度も繰り返されるといら立ってしまうかもしれません。それでも冷静に、忍耐強く伝え続けることです。その言葉は子どもの中に確実にインプットされ、やがて気が付けば、言わなくても行動できるようになっています。
思いつめすぎず、「いつかはできるようになる」とわが子を信じて、おおらかな気持ちで見守っていきましょう。
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株式会社ヘーグル 代表
「波動読み」を世界で初めて開発。小学校受験 中学受験、高校受験、大学受験生の指導経験もあり、 幅広い経験の中で醸成される幼児からの右脳教育プログラムは、奥が深く、確実に成果の出るものとして絶賛されている。
【執筆者】逸見 宙偉子(へんみ るいこ)
株式会社ヘーグル 代表
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