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幼児教育の豆知識

【幼児教育の豆知識】胎教って、どんなもの?どんな音楽が効果的?

胎教
赤ちゃんの誕生を心待ちにしているプレママのみなさんなら、「胎教」というワードを見かけることもめずらしくないのでは。おなかの子どもに向かって「音楽を聞かせる」「語りかける」「読み聞かせをする」など、「約7割の妊婦が何らかの胎教を行っている」といった調査結果もあります。
今回はそんな「胎教」の進め方について、具体的にわかりやすく紹介してきます。

そもそも胎教って、どんなもの?

胎教によって得られる効果~胎教でこんな子が生まれます~

出産準備をしているママの多くが胎教に取り組んでいる、ということは、生まれてくるわが子のために「妊娠中からできることをやってあげたい」という気持ちの現れではないでしょうか。
でも、気になるのはその効果ですよね。胎教は生まれた子どもにどんな影響を与えたのか、実際に行っていた親御さんの体験談の一部をピックアップしてみました。

・いつもニコニコ、表情が豊かな子になった
・穏やかな性格で、あまりぐずらない
・ひどい夜泣きがなく、よく寝てくれる
・明るく社交的に育った
・物事ののみこみが早い
・早期に発語ができた
・活発で運動好き など

つまりは、親にとっては育てやすく、子ども自身の能力や知能も高まった、といううれしい結果が出ているのです。兄弟姉妹でも、胎教をしていた子としていなかった子では違いを感じている親御さんも。
我が子の能力を生まれる前から伸ばせるとなれば、多くのママが行うのもうなずけますね。

こうした胎教の効果を考えるうえで、参考になるのがアメリカ・スタンフォード大学の研究です。それによると、「母親が胎児に夢を語りかけていた場合、それをしない子どもと比較して生後1カ月で大きな差が出る」といいます。
外部からの刺激をきちんと受け取っている胎児の脳。胎児期に適切で良好な刺激を与えることにより、上記のようなうれしい体験談が生れたのかもしれません。

ただ、胎教と子どもの能力の関係についてはすべてが明らかになっているわけではありませんし、「あまり効果が感じられなかった」という親御さんももちろんいます。

でも、胎教は子どものためだけではありません。
胎教の目的の大きな柱として、「母親がリラックスする」ということがあります。ママが心身ともにくつろぐことができれば、結果的に胎児によい影響を与えることができます。
胎教、といっても「教育」とかたく考えず、まずは「母親もおなかの子どもも心地よく過ごせるように」ということを念頭に置いて、始めてみてはいかがでしょうか。

胎教の際に気をつけるべきこと

さまざまな効果の声も挙がっている胎教。
「さっそく始めなくては!」と思ったプレママさんもいらっしゃるかもしれません。
でも、焦りや義務感は注意ですよ。
妊娠中でも仕事や育児にと多忙で、ゆっくり胎教の時間をとれない、といった事情の方もいらっしゃると思います。そんな中で「音楽を聴かせなくては」「絵本も毎日読み聞かせなきゃ」などと、ママ自身が心に負担を感じてしまうのは本末転倒。おなかの赤ちゃんにもよくありません。
無理をしないで、ご自身のペースで始めていくことが大切です。

また、「胎教を行えば天才になる」といった過度な期待を抱くのも少し違うかもしれません。胎教により赤ちゃんの脳は刺激を受けますが、それが知能にすぐに直結するわけではないのです。胎教の効果の現れ方も子どもにより異なるでしょう。

出産後、いずれは幼児教育をと考えるのであれば、その下地を作る準備運動として気軽な気持ちで取り組んでみては。胎教を通して、我が子がどのように育ってほしいか、どのような教育を与えたいか、親としての考えもまとまっていくのではないでしょうか。

それでは次に、胎教を始める時期についてみていきましょう。

 

胎教って、いつから始めるのがいいの?

先輩ママはこれぐらいの時期から始めている

一般に十月十日(とつきとおか)といわれる妊娠期間。「胎教を始めるならこの時期」という決まりは特にありません。
初期段階から始めてもいいし、後期でも遅すぎるということはないのです。

では、先輩ママたちはどうかというと、「胎動を感じ始めた妊娠5,6カ月目から始めた」という人が多いよう。妊娠18週~20週あたりのころですね。
赤ちゃんの動きを感じることで、その存在を改めて認識することができる胎動。おなかの子への愛情と想いもより深まる時期だと思います。

また、妊娠5カ月ごろになると赤ちゃんの聴覚も発達。ママの声やおなかの外の音も聞き取れるようになっているのだとか。語り掛けや音楽を聴かせるタイミングとしては適しているといえそうです。

では、具体的にどのような胎教が行われているのか、主な4つを紹介していきます。

 

胎教って何をすればいいの?~具体的な4つの方法~

おなかに話しかける、読み聞かせをする

胎教
まずは、気軽に赤ちゃんに話しかけてみましょう。
「話しかけるって、何を話せばいいの?」と思うかもしれませんが、特にこれという内容はなくてもOK。
「おはよう」
「おやすみ」
といったあいさつのほか
「今日は風が気持ちいいよ」
「元気に動いてうれしいな」
「あと1カ月で出産予定日。楽しみにしているよ」
というように、日々の感想や赤ちゃんへの思いを話したりしてもいいですね。

「胎児ネーム」といって、おなかにいるときだけのニックネームを付けている親御さんもいます。
「〇〇ちゃん、元気に産まれてきてね」
など、胎児ネームて呼びかければ、さらに赤ちゃんへの愛情も深まるのではないでしょうか。

とはいえ、「話しかけるのは独り言みたいでちょっと恥ずかしい…」と最初は思うかもしれませんね。
そんな場合は、絵本の読み聞かせから始めてみても。読む絵本はママの好きな絵本、読んでいて楽しい絵本でかまいません。生まれてきたら読んであげたい本でもいいでしょう。また、擬音語や擬態語が多く使われているものも、声のリズムが胎児に届きやすいのでオススメです。

語り掛けや読み聞かせの声は赤ちゃんに届き、記憶されていきます。
妊娠5カ月ごろには、胎児の脳内で記憶に関わる「海馬」が完成。生まれてすぐの赤ちゃんでも、ママの声のするほうに顔を向けます。おなかにいるとき、毎日のように聞いていた声を覚えているのです。
生まれてから本を読み聞かせてみると、胎教で読んでいた本には反応を示すという体験談も。そんなことを知ると、語り掛けや読み聞かせも楽しくなりますね。

さらに、おなかをなでながら話しかければ赤ちゃんとのスキンシップも図れます。もちろん直接は触れられませんが、妊娠後期になると刺激を感じてキックなどで反応してくれることも。パパや兄姉になでてもらうのもいいですね。
ただ、あまり強くさすったりするとおなかが張ってしまう場合もあります。張りやすい人は、話しかける際手を添える程度にしておきましょう。

好きな音楽を聴かせる、歌を歌う

胎教といえば「クラシックを聴かせる」と聞いたことのある人もいるのでは。
妊娠中に音楽を聴く目的とは、一番に「ママ自身がリラックスする」ということ。
クラシックに限らずお気に入りのポップソングやジャズなどどんな曲でも、聴くことでママがハッピーな気分になれるのであれば、おなかの赤ちゃんにもよい影響を与えられるでしょう。
どうして「クラシックがよい」と言われてきたかについては、記事後半でお話しします。

ママがリラックスするだけではなく、赤ちゃんも聞こえてくる音楽に刺激を受けているよう。
「音楽を聴いているときは、胎動も活発だった」
「出産後も胎教で聴かせていたジャンルの曲を流すと機嫌がいい」
というお母さんの声も挙がっています。

また、赤ちゃんに向けて歌を歌ってあげるのもいいですね。
産後に歌ってあげたい童謡や子守歌のほか、ママの好きな歌で楽しい気分になるものを選ぶといいでしょう。
ママの歌を繰り返し聞いた赤ちゃんはやがて、それを心地よいものとして認識していきます。

適度な運動をする

マタニティヨガ
運動も胎教にはおすすめです。
ヨガやストレッチ、ピラティスなどのほか、水泳、散歩など、無理なくできる有酸素運動がよいとされています。
何分やるべき、といった決まりは特にありません。担当医に相談しつつ、妊娠中の体調に合わせて取り組んでみましょう。

運動による効果はさまざまあります。
妊娠中は血の巡りが滞りがちですが、運動により血行が改善。体調が整えば赤ちゃんにも栄養を届けやすくなります。便秘、むくみ、腰痛など妊婦にありがちな症状の解消にも役立つでしょう。

妊娠中の体重増加、体力低下対策にもの運動は欠かせません。体重が増えすぎると分べんが困難になり、帝王切開になることも。日々の運動で適正体重を保つとともに筋肉を落とさないようにすれば、「フルマラソン」とも例えられるほど体力を消耗する出産を乗り切るパワーが付きます。産後の母体の回復も早くなるのではないでしょうか。

胎児についても、「妊娠中にジョギングや水泳など適度に運動をした母親から生まれた赤ちゃんは、より脳が活性化する」という研究結果もあります。
ママの運動は胎児にもよい影響があるということですね。

ただし、担当医より「安静に」といわれている人は無理に行ってはいけません。運動を進められている場合も心拍数が上がりすぎるようなハードな運動はNG。腹部に無理な力が加わったり、転倒したりする危険のあるものも避けましょう。

パパとママで一緒に取り組む

胎教の4つ目の方法は、パパとママが一緒に取り組む、ということです。
上記で説明したような語り掛けや音楽を聴かせるといった内容にも、パパは積極的に参加するようにしましょう。
最初はとまどうパパもいるでしょうが、そんな場合はママから優しく伝えてあげてください。いつも赤ちゃんと一緒にいるママと違って、パパはおなかの子にできることがわからず過ごしているのかもしれません。
パパが休みなら散歩やストレッチを一緒にするのもいいですね。

パパがおなかの子に愛情を示す姿を見ることは、ママにとってとてもうれしいこと。「これから一緒にこの子を育てていける」という安心感とともに、夫婦の絆も深まります。

胎動が大きくなってきたころからは、ママのおなかに手を当てて胎児の存在を実感してもらうといいでしょう。
「パパがおなかをたたくと赤ちゃんが蹴り返して、とてもうれしそうでした。そこから父親という意識も強まったようです」
といったプレママの体験談も見られます。

先にお話ししたように、妊娠5カ月ごろから胎児は聴覚が発達していきます。パパが繰り返し話しかけることでその声を認識し、生れてからも「パパ見知り」することなく、二人三脚でスムーズに育児がスタートできるでしょう。
つまり、パパの胎教参加は夫婦間の絆と、パパと子の絆も強くしてくれるのです。

パパだけではなく上の子にも関わってもらうと、兄・姉としての自覚の芽生えの助けにもなりますよ。

以上、胎教の4つの方法についてお話ししました。その中でも取り入れる人が多い「音楽を聴かせる」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

胎教に効果的な音楽って?

そもそも、おなかの子に聞こえるの?

胎教
胎教の中でも気軽に取り入れやすい「音楽を聴かせる」という方法。
でも、「音楽を流してあげても、ちゃんと赤ちゃんに聞こえているの?」
そんな疑問が浮かぶのも当然です。

結論からいうと、私たちが聞いているのと同じようにクリアには聞こえていないようです。
胎児の聴覚は妊娠5カ月ごろから発達していく、ということをお話ししていましたが、
赤ちゃんは羊水と子宮、脂肪などが周りを包んでいます。さらに、常にママの心臓の鼓動や血液の流れる音が聞こえている状態です。
ですから、歌詞の一つ一つがはっきり聞こえているというよりも、曲のリズムをとらえている、と考えた方がよいでしょう。

胎教に効果が高い音楽のジャンル

以前から広く言われていた、「胎教といえばクラシック」。
それには、クラシック音楽の持つ「1/fゆらぎ」が関係しています。
「1/f ゆらぎ」の音とは、自然界における小川のせせらぎや、さざ波の音など人に心地よさを感じさせるもの。それを聴くことでα波が発生し、癒しを感じるのだとか。「クラシックのコンサートに行って眠ってしまった」という人はよくわかるかもしれません。

とはいえ、クラシックといっても激しい旋律の曲もあり、すべての曲に「1/f ゆらぎ」があるわけではありません。
特によいとされているのは、モーツァルトの曲。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「ジュピター」など「1/f ゆらぎ」がある曲が多く、胎教用のモーツァルトのCDも発売されているくらいです。

ただ、「1/f ゆらぎ」は、クラシックだけに限ってあるわけではないようです。往年の名歌手・美空ひばりのほか、徳永英明や宇多田ヒカルなどの歌にも含まれているとか。

このように「1/f ゆらぎ」にこだわって曲を選ぶのも一案ですが、好みではない曲を聴いてストレスになっては意味がありません。近年では「ママがリラックスできる音楽が一番」とされているのです。

音楽の具体的な聞かせ方

音楽を聴くときには、できるだけ静かで落ち着いた環境のほうが赤ちゃんにも聞こえやすいでしょう。
「大きな音で音楽を流したらよく聞こえるのでは」という気遣いは必要ありません。
無駄に大音量にするとお母さんの神経が興奮してしまうことも。いつも楽しんでいるように、普通の音量で流していればOKです。

イヤフォン、ヘッドフォンで聴くことが習慣、という人は無理にやめる必要はありません。イヤフォンを通してだともちろん赤ちゃんには聞こえませんが、ママがリラックスする、という効果はあるからです。

 

まとめ

自分のペースで取り組もう

さまざまな胎教についてご紹介しましたが、一番大切なことは「ママがストレスをためないこと」。
妊娠中は体調や気持ちが不安定です。気分がのらない、体調がすぐれないときに無理に胎教をする必要はありません。それぞれにあったペースで、リラックスして行うことが赤ちゃんにとってもいい環境を作ることにつながります。

おなかの赤ちゃんと楽しくコミュニケーションをとる気持ちで、胎教を行ってみてくださいね。

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逸見理事長
【執筆者】逸見 浩督 (へんみ ひろただ)
株式会社ヘーグル 理事長

30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。
逸見理事長
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