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①幼児期からの右脳開発・右脳教育

第97回 私たちが右脳教育・幼児教育をはじめたきっかけ①

私たちが右脳教育・幼児教育をはじめたきっかけ

もう30年以上前の、まだ塾を始めたばかりの頃の話です。

小さいうちからきちんと教えれば、どの子も同じように

学力を上げることができるのではないか?ということで、

小学1年生からの学習指導を始めました。

優秀な生徒も多かったのですが、

その中に、小1のT君がいました。

T君の両親は共働きで、

なかなか勉強をみてやることができないから、

早いうちから塾に入れた方がいいだろう

という判断からやってきたのです。

T君は「ひらがな」が満足に書けません。

ですから「カタカナ」はもちろんあやふやです。

彼は、書くことが大嫌いです。

ですから、宿題をやってきません。

ある時、彼は言いました。

「先生、ひらがなの”か”を書いて」

私が白板に”か”を書くと、

「先生こんどは、その横にカタカナの”カ”を書いて」

と言うので、言われたとおり書きました。

するとT君は

「先生、ひらがなの”か”とカタカナの”カ”は同じでしょう?

ぼくは、ひらがなの”か”は書けるよ。

だからカタカナの”カ”は

書けなくてもいいでしょう?」と言うのです。

どちらも同じ音ですから、理屈は確かに合っています。

もしかしたら、この子は頭の良い子なのでは?と思いました。

でも、そんな屁理屈を考える前に、

さっさとカタカナを覚えてしまった方が早いんじゃないの?

とも思ってしまいます。

それからは、どうしてもプリントをやらせようとする先生 VS

それをしないですまそうとする生徒、の

戦いになってしまうことも度々ありました。

1学期最後の授業の日、

「宿題をやってこなければ、やり終えるまで居残りよ」

という約束を実行に移そうとしたとき、

彼のほおに、一筋の光るものが見えました。

このとき、教師として「大きな無力感」に襲われました。

私たちがやっていることは、お父さん、お母さんと

何ら変わらないではないか?

やりたくない生徒を無理矢理やらせるしかないのであれば、

本当のプロとは言えないのではないか?

そう思った時、何かやり方が違うと気付きました。

単にプリントをやらせ、書かせるという方法以外に、

もっといい方法はないものか?

優秀な子もそうでない子も、すべての生徒がより成果を

上げることのできる方法を、そのときから模索し始めました。

このことをきっかけに、私たちは

右脳教育を始めることになったのです。

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