右脳開発でお子様の才能を開花
第109回 教育による選別化は得策か?
ある特定の分野で成功する人には、
いくつかの共通点があると
マルコム・グラッドウェルは
「天才!」(講談社)の中で言っています。
その一つが、
「特定の技能を磨くためには1万時間が
必要である」
ということです。
専門的な技能を極めるために
必要なすべてのことを脳が取り込むためには、
それだけの時間や量が必要だというのです。
これは、本人が本当に好きでないと
続けられないということを意味します。
半強制的にやらされていては、
長続きはしません。
もう一つは、
「成功は社会やシステムによって
与えられるアドバンテージ」
によるものだということなのです。
カナダのアイスホッケー全選手の
データを集めたところ、
1月生まれの選手が最も多く、
次に2月、3月という順番になったそうです。
カナダでは、
単に同じ年齢の少年を集めて
クラスを作る場合、
年齢を区切る期日を「1月1日」にしている
からなのです。
つまり、
1月生まれの子と12月生まれの子とでは、
非常に大きな差が生まれます。
このアドバンテージが
最後まで有効に働きます。
一度上位についた子は、少し秀でる
→選手としてかわいがられる
→代表メンバーに選ばれる
→より多い指導や練習時間が与えられる
→ますます上手くなる、
という好循環になります。
ところが、
一旦中位、下位につくとこの反対に、
少し遅れる
→選手としては無視される
→メンバーにも選ばれない
→ますます練習する機会や
指導を受ける機会が減る
→なかなか上達しない、
という悪循環に陥ります。
こう考えてくると、
子どもを早いうちから
ある一定のモノサシで選別していくというのは、
得策でない気がします。
早いうちから選別の洗礼を浴びて、
好循環のサイクルに行く子はほんの一部であり、
デメリットの方が大きいのです。
学力世界一のフィンランドでは、
16歳まで他人と比較するテストも競争も
させないそうです。
それは、
全体を引き上げるという観点からすれば、
上位の者だけに得られるアドバンテージを与えず、
また、中位、下位の者に敗北感も与えないという
「真の平等」の考え方から来るものですし、
国家を発展させ、豊かにする方法を
知っているからです。
日本の教育は、
幼稚園、小学校から選別化が始まります。
そのメリットとデメリットを
冷静に考える必要があります。
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