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②幼児期からの素地力の育て方

第112回 人間としての 「根っこ」をちゃんと育てる教育

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子育てにおいて、最も大事なことは何でしょう?

それは、これから生きていく子どもたちが、

大きな花を咲かせることのできる土台を

作ってやることです。

大きな花を咲かせるためには、

大きな、しっかりとした「根っこ」がなければだめです。

枝や幹に多少の損傷があっても、

木は枯れませんが、根がおかしくなると、

木はとたんに枯れてしまいます。

特にいけないのが「根腐れ」です。

根が腐ってしまっては、どうしようもありません。

今、世の中がおかしくなってきている現象を見ていると、

どうもこの「根っこ」に問題がある場合が多いように思います。

「頭」は確かにいい、「体」もいい、けれども肝心の「心」は?

というと、何かちぐはぐなケースって、

結構多くありませんか?

私たちは、胎教、0歳から幼・小・中・高・大、

そして大人、年配の方までを、

授業や講座で指導させていただいていますが、

一貫して大切にしていることが、

この人間としての「根っこ」です。

私どもが書いた

「人生の教科書 第1巻」(エコー出版)

第77話に「植木の秘密」

というのがあります。

中国の大富豪であり大政治家であった柳宗元の一節です。

「植木は、はじめが肝腎で、

そこの所をうまくやって置くならば、

あとは木の本性に順い、

木の成長力に任せて放っておくのがよい」

木を移植するときに、

ふつうの人は労を惜しんで穴を小さく掘り、

その狭い穴に根を押し込めようとします。

これに対して、植木の名人である郭さんは、

その数倍も大きく深く穴を掘り、

植木の根を十分に伸ばして植えるのです。

これは、いかに基本が大事かということで、

このことは万事に通ずることなのです。

たいていの人は事のはじめをあなどり、

いい加減にして、後になってあわてるのです。

もうそのときには、基本となる根幹が

できあがってしまっているので、

もう一度植え替えるわけにはいきません。

「根っこちゃんと教育」の意味が

少しおわかりいただけたでしょうか。

どうしても幹や枝、葉のように、

目に見えることが気になりますが、

それを支えている根元のことを

いつも意識してください。

そうすると、思いがけずに「あっ!」という

本当に簡単な解決策が見えてくるものです。

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