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①幼児期からの右脳開発・右脳教育

第133回 できない子をどう伸ばすか ~右脳教育にたどり着いたきっかけ②

088708

私たちが学習塾を始めたころ
(今から30年以上も前)の話です。

第101回の続きです。
(第101回をもう一度読みたいという方は
こちら↓↓)
第101回「できない子をどう伸ばすか~右脳教育にたどり着いたきっかけ①」

今度やってきたのは、
中学2年の女の子です。

なんと、その子の通信簿は、
電信柱とあひるの行列です。

1と2ばかりで3以上がないのです。

当時は、
最低でも3と2が半々くらいはないと、
高校へは行けませんでした。
性格はとても穏やかで、
気さくで素直でとてもいい子でした。

友達もたくさんいて、
バレーボール部に所属しているのですが、
後輩の面倒見もよい子でした。

でも、肝腎の頭がついていけません。

なんといっても、
正負の数の計算がまともにできません。

英語で”book”が書けません。

数学の成績は、
二桁をとったことがない、
つまり、
0~9点しかとったことがないのです。

これには参りました。
お父さんは、
現状をよく心得ていらっしゃって、
父母面談にいらしたときも、
「こいつは、誰からでも好かれるやつだから、
中卒でもいいだろう!」
とおっしゃいます。

すると、脇からお母さんが、
「あなた、中卒なんてとんでもない!
今どき、高校にも行かなかったら、
就職なんてできないわよ」
と訴えます。

高校には是が非でも入ってもらいたいという、
母親の情熱を感じました。
でも、現状を見ると、
こりゃ大変・・・なものでした。

「とにかく、ベストを尽くすしかありません。
集団授業は、
この子にとってはレベルが高いので、
英・数の個別指導を行います。
とにかく毎日通わせてください。
おそらくこの子は、
家では勉強しないでしょう。
ですから、授業がない日は、
私たちが担当している他のクラスの、
一番後ろの席で自習をさせて、
授業の合間に指導を行いましょう。」
ということで、
毎日来てもらいました。
その子が偉いのは、
ちゃんと毎日やってきて、
自分が中2にもかかわらず、
中1だろうが小6だろうが、
学年が下のクラスにも平気で入っていって、
自習を続けたことでした。

「◯◯ちゃん、
毎日通って来るの大変だけど大丈夫?」
と聞くと、部活で日に焼けた顔をあげて、
ちょっとはにかみながら、
「だいじょうぶです!」と力強く答えて、
はじけるような笑顔を見せてくれます。

この子は勉強が得意ではないけれど、
根性があるし、本当に素直な子だなあと、
感心する場面も多々ありました。

人間として、
偉いなあと思う部分がありました。

このようなところがあるというのは、
自分の力を伸ばすのに、
重要なことなのだと思います。
さて、この子は、
その後どのようになったでしょうか。

それは、次回のお楽しみ・・・。

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