右脳開発でお子様の才能を開花
子育ての知恵ぶろぐ 第309回 叱る方がいいのか、叱らない方がいいのか?PART6
リクルートワークス研究所が行った
「大手企業新入社会人の
就労状況定量調査(2021)」によると、
『新入社員期に職場の上司・先輩から
叱責される機会が一度もなかった割合』
は、9.6%(1999年~2004年卒)、
13.7%(2010年~2014年卒)、
14.8%(2016年~2018年)、
25.2%(2019年~2021年)です。
このデータを見ると、
2000年から2014年になるにつれて
約1.5倍となり、さらに2021年となると
約3倍となっています。
特に2018年から2021年の3年間で
約1.5倍になっています。
たしかに、世の中の潮流が
「ほめて育てる」という方向に
向かっていることは事実でしょう。
これ自体は、「やる気」を育てるという
意味でもいいことだと思います。
何かの言動をする時、
相手がどのようにとらえるのか
ということを事前に考えながら
行うということは重要です。
ただ、ここで気になることが
2つあります。
まず、最近の新入社員たちはこのような
「叱られない」というような状況を
どのようにとらえているのでしょうか。
ある社員は、「自分は叱られるのが
苦手なので、叱られないでほめて
育ててもらう方がいい」と言います。
しかし、こんな意見もあります。
「怒られないと気づけないこととかも
あったりすると思うので、
必要な時には叱ってほしい」とか、
「あまりに叱られないと、
自分は期待されていないのかなみたいな
気持ちになる」というものです。
また、ここ数年で
「しつけられていない幼児」が
増えてきていると感じます。
きちんとした姿勢が保てない、
取り組みに集中できないといった子が
増えています。
ヘーグルでは、姿勢を保つとか
集中させるといったしつけ面を
重視してきちんと指導しています。
それは、すべてのことに通じる
基本だからです。
このしつけを行う時は、叱るのではなく
「静かに悟らせる」ことで
人間が持っている「立派な人間になる」
という本能を目覚めさせるのです。
必要な時に「きちんと叱る
(単に大声をあげるとか、
威嚇するということではなく)」ことが
出来ない大人たちが増えていると同時に、
あまりにも叱られるという経験が
ないがために、少しでも怒られたり
叱られたりすると委縮しまったり、
素直になれなくなってしまう
子どもたちも増えていると思います。
「きちんと叱る」というのは、
1. 叱る相手に心から真摯に向き合い、
向上してもらいたいという強い願望や
熱意をぶつけること
2. 叱る相手が成長することを真剣に思う
愛情から出た行為であること
この2点が大切だと思います。
新入社員の「叱られないということは
自分が期待されていないと感じる」
というのは、まさにこの2点が
上司に欠けていると感じ、
愛情が感じられなかったからなのでは
ないでしょうか。
「きちんと叱る」という技術を
身につけなければなりません。
それには、(1)先ほどあげた
2点の気持ちを確認した上で、
(2)感情的にならずに冷静な状態で
「教え諭す」ということを
習慣化するようにしていくと
いいと思います。
また、叱られる側も「叱られるのは、
相手が自分のことを思う気持ちが
あるからだよ。叱るというのは
叱る側も大変なんだよ。
叱られたことで相手を恨むのではなく、
叱られたことをありがたいと思って
一つ一つ改善していけばいいんだよ」
と言って育ててやる必要があります。
そのようにして双方が成長していくことが
大切なのです。