右脳開発でお子様の才能を開花
子育ての知恵ぶろぐ 第310回 叱る方がいいのか、叱らない方がいいのか?PART7
前回は、「きちんとしかることも大切だ」
という話をしました。
天才プロゴルファーで知られる
石川遼選手のお母さんは、
家のルールを守らなかった時は
思いっきり叱っていたそうです。
特にわがままに関しては厳しく叱られ、
幼少期の遼君にとって、お母さんは
とても怖い存在だったそうです。
脳科学的にその効果は実証されています。
叱られることを体験すると
社会的協調性が得られるのです。
それも体の痛みが伴う方が良い、
とされています。
なぜなら、体の痛み、心の痛みを感じる
脳の部位は、脳の同じ場所=前帯状皮質
(痛み神経回路)にあります。
そして、他人の痛みも同じ場所で
感じます。
つまり、叱られることによって
前帯状皮質で痛みを感じることが出来れば、
他人の痛みも理解できるようになり、
思いやりの心や社会的協調性を
身に着けることができます。
ここで大切なのは、
どの程度の叱り方が良いのでしょうか。
安易に体罰がいい、と言っているわけでは
ありません。
子どもが「叱られている」と
はっきりわかる程度と言うことです。
それも「その場で短い時間で
メリハリをつけて叱る」のです。
強くたたいたり、傷つけたり、
長時間叱るのはダメです。
ある研究者が、幼稚園児のいる家庭で
子どもが悪いことをした時に
叱らないで放っておくグループと
厳しく叱るグループに分けて観察し
研究しました。
その結果、叱られない子のグループは
叱られる子のグループの100倍以上
攻撃的な行動(言葉によるものも含む)を
起こす頻度が高かったのです。
他人の痛みを理解できないことが
原因でした。
それでは、厳しくということは
体罰も含めどんどんやった方が
いいのでしょうか。
脳科学者であり臨床医でもある
福井大学子どものこころの発達
研究センター教授:友田明美さんは、
ハーバード大学との共同研究で
体罰や暴言、夫婦げんかを見せるなどの
不適切な養育=マルトリートメントが
子どもの脳に深刻なダメージを与える
可能性について脳の診断画像から
明らかにしています。
例えば、平均で8年間あざができるほどの
厳しい体罰を受けた子のグループでは、
理性をつかさどる脳の前頭前野の一部が
平均19%委縮していました。
また、親同士の激しいけんかを
目の当たりにしてきたグループは、
耳の上側にある視覚野という部位が
平均6.1%委縮していました。
これは、視覚的な記憶力や学習能力に
マイナスの影響が出ると考えられます。
また、親から暴言を繰り返された
グループでは、聴覚野の一部が
平均14%肥大していることが
分かりました。
肥大とは、神経シナプスが
生い茂りすぎて適切な刈り込みが
行われないためにおこる現象です。
1つの刺激が周りの神経細胞にも伝わり、
不必要な部分にまで興奮を引き起こして
しまうのです。
友田教授によれば
「聴覚野が肥大すると神経伝達の効率が
低下し、言葉の理解力、
特に語彙理解力が落ちます。
また大事な音や会話が
聞こえなくなることから、
対人関係に支障をきたしてしまうように
なります」と言っています。
以上のことをよく考えながら、
日々適切な言動・行動で
子どもたちのみならず
家族みんなと接していきたいものです。