右脳開発でお子様の才能を開花
子育ての知恵ぶろぐ 第330回 子どもの短所は本当に短所ですか
小学4年生になっても
自分の漢字が書けなかった少年がいます。
注意力散漫で、いつも先生から
注意を受けていました。
人の言っていることを
ずっと聞くことができません。
聞いている間に
違うことを考えてしまうのです。
整理整頓もできなくて、
机の上は散らかしっぱなし。
家の中は脱いだ服が散らばり、
あらゆるものが雑多に放置されています。
なくし物も多く、いったん身に着けても
あらゆるものを失くしてしまいます。
このような子どもは、
発達障害・ADHD(注意欠如・多動症)と
呼ばれます。
落ち着きがなくて、
クラスではいじめられたり、
馬鹿にされたりしていて、
成績はいつもビリでした。
高校も全部落ちて、
母親が手掛けていた闇米を
校長先生に1俵届けて裏口入学しました。
高校に入ってもやっぱり
勉強はダメでした。
そこで、誰も思いつかないような
カンニングの方法を考えようと
必死に努力しました。
それで、台紙に輪ゴムをつけて
袖の中に隠れるようにしたり、
試験の前の日に顕微鏡でしか
見ることのできないような
小さな字で教科書を書き写したものを
蛇腹に折ってそこに貼ったりして、
何とか落第を免れました。
会社に入って営業の職に就いても
対人恐怖症のため話すのが苦手で
1年間に1件も獲れずクビになりました。
そのあと土木の仕事も
半年くらいやりましたが、
現場が火事になって
おしまいになってしまいました。
自分で仕事をするしかないということで
家具屋を始めました。
さて、この人は誰でしょう。
一代で売上高7千億円の企業を作った
「お、ねだん以上。」で知られる
ニトリホールディングスの会長
似鳥昭雄さんです。
今から3年前に専門の医師に見てもらって
発達障害ということがわかったのです。
しかし、彼はこの障害のお蔭で
人が考えつかないようなことを
考えることができるのだ、と
プラスにとらえています。
奥様からも
「あなたは誰でもやれるようなことは
やれないで、誰もやらないことがやれる」
と言われているそうです。
彼がもう一つ大事にしているのは忍耐力。
嫌な事でも最低3年は頑張る。
そうした根気が自分を成長させる。
この精神で、毎週脱皮する覚悟で
仕事に当たれば成功する、と言います。
子どもの個性は様々ですが、
短所を短所ととらえるのではなく、
それをメリットとしてとらえる心を
育むことが、
これからの先を読めない時代には
必要なことなのです。