右脳開発でお子様の才能を開花
子育ての知恵ぶろぐ 第356回 「幸せ実感」の本質とは?
保護者の「幸せ実感」が
子どもの「幸せ実感」と比例する、
という調査結果が出ました。
東京大学社会科学研究所と
ベネッセ教育総合研究所との
共同研究プロジェクトでの
小1から高3までの
約2万組の親子を対象にした
「子どもの生活と学びに関する
親子調査2023」の結果を
見てみます。
「保護者の幸せ実感」を
3つのグループに分けました。
「保護者の幸せ高群」で
子どもも幸せと感じる割合は50.0%、
「保護者の幸せ中群」で
子どもが幸せと感じる割合は32.3%、
「保護者の幸せ低群」では
21.6%となりました。
保護者が幸せと感じるもとで
育つ子どもは、
幸せを実感しやすく、
そうでない場合は
幸せを感じ取るのが
難しくなります。
また、小4~小6生の子どもと
親を対象に世帯収入別の
「幸せ実感」の相関関係を
みたところ、
「保護者の幸せ高群」で
「子どもの幸せ実感」の
高い子の割合は、
年収400万円未満で43.8%、
400~600万円で45.7%、
600~800万円で47.5%、
800万円以上で45.5%と、
保護者の年収と
子どもの幸せ実感との
相関関係がないことが
わかりました。
また、「成績がいい」
「保護者との会話量が多い」
という子どもほど
幸せ実感は高いのですが、
「会話量」や「成績」自体には
直接的な関係は
見られませんでした。
相関関係が強く表れた
項目としては、
「保護者が勉強の結果が
悪くても努力したことを
認めてくれる」について、
高群が46.6%に対して
低群は35.5%と
相関関係が強く認められました。
「幸福だから笑うのではない。
笑うから幸せになるのである」
~アラン「幸福論」
つまり、「幸福」とは
「社会環境」であると同時に、
個人の「マインドセット」に
関わるものなのです。
3月20日は「国際幸福デー」です。
毎年この日に発表される
「World Happiness Report
(世界幸福度報告書)」の
2024年版によると、
1位はフィンランド、
2位デンマーク、
3位アイスランド、
4位スウェーデン、
5位イスラエルと続きます。
毎日パレスチナに空爆している
イスラエルの幸福度が5位とは、
なかなか理解しがたいところも
あります。
ちなみに、
日本は143カ国中51位で、
昨年137カ国中47位よりも
下降しました。
個人が「幸せだ」と感じる
=主観的幸福度調査(2018年)では、
1位フィジー、2位コロンビア、
3位フィリピン、4位メキシコ、
5位ベトナム、8位インドネシア、
9位インドでした。
この結果からわかることは、
経済的に豊かであるかどうかや、
政治的にクリーンであるか
どうかということは
あまり関係がなく、
「幸福度」というものは、
各個人の考え方に
委ねられる部分が多い
ということです。
最近、「退屈症候群」に
なってしまう人が
増えているようです。
このような現象も、
社会が引き起こすという部分も
あるとは思いますが、
個人のとらえ方一つで
変わってしまう部分も
大きいでしょう。
まずは、子どもが
幸福に生きていける素地力を
家庭で育む努力を
していきましょう。
幸せの青い鳥のように、
「幸せ」は今、目の前にある
ということに気づく感性を
育むことが一番のようです。