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②幼児期からの素地力の育て方

第94回 脳の器を大きくする!

脳の器を大きくする!

子どもの学力をアップさせるために、

「どう教えるか」ということは、とても大切なことですが、

教えたことをを受け取れる「受け皿」を

きちんと作るというのは、さらに重要なことです。

多くの子どもたちは、自分自身の脳の器の大きさとは無関係に、

たくさんのことを詰め込もうとしています。

特に入試は、通常のテストより難しく、自分の実力が

上がれば上がるほど、問題の難易度も上がってくる

(志望校のレベルもそれにつれて上がっていく)ので、

誰でもさらに余裕のある器というものが欲しいところです。

例えば、お正月のおせち料理を注文すると三段重になっていて、

「まぁ、よくきれいに詰め込んであるなあ」と思うくらいに、

要領よくたくさんの料理が入っていますよね。

教える側からすると、このおせち料理のように、

決められた器の中に、いかに体よくたくさんの物を詰め込むか、

という発想になってしまいがちです。

受け皿の方を大きくする、という発想があまりないのです。

家が広すぎて困っているという話はあまり聞きません。

大抵は家の大きさよりも、家財道具の方が多くなってしまって、

もっと広い家に引っ越したい、となるものです。

でも、もし家が東京ドームくらいの広さがあったらどうでしょう?

狭い家にあふれかえっていた家財道具すべてを並べても、

全体から見れば、ちょこんとあるくらいで、

ほとんどその量を実感することはないでしょう。

まだまだ、いくらでも家具を増やす余裕があります。

つまり、「脳の器」を大きくすることができれば、

たくさん詰め込むのに苦労していたのが嘘のように、

何に対しても余裕を持っていくことができるのです。

また、普段どんなに真面目に頑張って勉強しても、

本番で実力を発揮できなくては意味がありません。

本番で実力以上の力を発揮できるかできないかも、

結局は本人のセルフコントロールの力ということになります。

私たちは、そのような力も身につけさせてあげたいと願い、

研究を重ねるうち、子どもたちが目に見えて変わってきました。

通常では信じられないような成果が続出したのです。

なぜ、このようなことが起きるのだろうと、

自分たちがついていけなかったり、

理解できないことしばしばもありました。

その度に、子どもたちから数多くのことを教わりました。

 

例えば、なぜ「壱萬会」が生まれたのかと言えば、

もともとは、子どもたちの遊びからでした。

「先生、こんな風に読めるよ」とか、

「私は、もっと違うやり方で読めるわ」

などといった言葉が飛び出し、

「なるほどこんな風に読めるのね」と、

子どもに教えてもらう始末です。

 

子どもたちが、真顔で喜んでいる姿を見て、

「この子は読めたと嘘をついているんだろう」と思う人が、

どこにいるでしょうか?

もしいたとしたら、その人は、子どもの能力を伸ばすのには

向いていない人です。

 

そんなことの繰り返しから、

「子どもたちの脳の器を確実に大きくするノウハウ」が確立され、

今のヘーグル教育の基盤が出来上がっていったのです。

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